納骨堂の法律

法律の中の納骨堂

永代供養を事例に

　よほどお墓の近くに住んでいるという人でない限り、あまり街中で墓地を見かける機会はないと思います。
昔からある寺院などには墓地が併設されているケースがありますが、特に民営の墓地に関して言えば、少し街中からは離れた場所に設けられることが多くなっています。
墓地を設置する、または遺骨を埋葬するための場所にはさまざまな制約が設けられており、法律によって管理されているのです。
そのため、墓地を作るためには法律に沿って場所などを選択し、さらに市町村からの認可を受ける必要があるのです。
　永代供養納骨堂の場合も同じで、墓地の中に設置されている遺骨を安置するための設備はもちろんですが、遺骨安置専用の建物を単独で建てて運営する場合にも、こういった制約の範囲内で行わなくてはなりません。
市町村の認可自体もかなり厳しい条件となっているようですので、それほど簡単にどんどん増えていくというわけではありません。
また、近年では永代供養納骨堂に対する需要が高まっていることもあり、設置を希望する法人も増えています。しかし、その分監督官庁による管理も厳しくなっているため、実際に運営されている設備に指導が入ることも珍しくはなくなっています。
　認可を受けていないものや、認可を受けていても経営が法律に基づいていない納骨堂などを使用すると、思わぬトラブルを招くこともあります。
中には、詐欺のような業者を利用してしまったために、申込者が訴訟を起こすケースまであるようです。例えば、近年話題となった訴訟沙汰の中には、全く実態のない永代供養納骨堂について申し込みのための費用を申込者から受け取っていたというものがあります。
架空の内容で作成したパンフレットを使用し、申込者を募っていたようです。申込者は費用の支払いを行った後に怪しい業者であることに気付き、訴訟へと発展しました。
　この業者の実態を調査してみると、永代供養を実施するための法律的な手続きは全くされておらず、実際にそういった施設を準備しているという事実も無かったそうです。
さらに申込者への説明においても、別の申込者を紹介することで配当金を受け取ることができるという主旨となっていたため、マルチ商法まがいのものであったことがわかりました。
こういった業者と関わらないために、永代供養納骨堂を使用する際には、必ず市町村の許可があるかどうかを確認してください。
すでに申しみを検討している永代供養納骨堂があれば、もう一度認可を確認しておきましょう。